あらすじ
西方大陸随一の騎士と讃えられた英雄カレル・グランツ。
だが心から敬愛した主君は、目の前で無残に処刑された。
自死は許されず、何をやっても強すぎるがゆえに死ねない。
「死なせてくれる誰か」を探して彷徨った末に辿り着いたのは、大陸のどの地図にも載っていない孤島、「神々の国」アクリオスだった。
そこで出会ったのは、人々から神として崇められながら、誰からも忌避される孤独な少年神官。
「死にたいなら、ちょうどいい。俺があなたを生かしてあげるよ」
皮肉げに笑う少年は、民の安寧のため自らの血と苦痛を神々へ捧げ続けなければならないという、あまりにも過酷な運命を背負う存在だった。
死ぬことしか望まない元英雄と、生きることを許されない孤独な神の子。
噛み合わないはずの二つの魂は、旅を通じて少しずつ寄り添い、異国の陰謀と迫り来る戦乱の中で、「守りたい」という新しい誓いへと変わっていく――。
※文庫刊行・雑誌掲載された完結済み作品です。出版契約終了に伴い、著者本人が全文を再公開しています。