あらすじ

四十度の高熱が三日も続き、僕はもうベッドから起き上がることさえできなかった。  昨日、婚約者の里奈は「薬を買ってくる」と言って出かけたきり、まだ戻ってこない。スマートフォンを手に取ると、彼女がInstagramを更新していた。投稿されていたのは、湯気の立つおかゆの写真だった。 「この人が元気になるなら、私、何だってする」  コメント欄では、誰もが里奈の献身ぶりを褒めていた。中には、僕が仮病を使って彼女をこき使っていると責める者までいる。状況が飲み込めずにいると、里奈から電話がかかってきた。 「家にある冷却シートを持ってきて。途中で鮭フレークも買ってきてね」  その瞬間になっても彼女は思い出さなかった。  本当に四十度の熱を出し、ベッドから動けなくなっているのが、僕だということを。

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カクヨム
カクヨム2026/08/03
  • 現在の作品40度の高熱で死にかけた僕を置き去りにし、婚約者は年下の後輩の部屋で一夜を明かした