あらすじ
恋と逃げ場所を見分けられない女たちの、二度目の選択。
東京の片隅で、ハイブランド古着のセレクトショップを切り盛りする文(あや)。
恋人の聡太は、臆病な文を急かさず、傷ついた夜には黙って避難場所になってくれる。
ようやく見つけた、安心して息のできる恋。
けれど仕事の世界では、取引先の男が好意と利益を絡めながら、文の引いた境界線を越えようとしていた。
店を守るためには、拒むだけでは済まされない。
正しく優しい恋に守られながら、文は、自分の仕事と尊厳を守るための選択を迫られていく。
一方、年上の友人・響子は、既婚の小説家、英秋との関係を続けていた。
互いのずるさも不潔さも知り尽くした、共犯者のような恋。
そこへ、五年前に響子を置いて仙台へ去った元恋人・晴彦が、東京へ戻ってくる。
終わったはずの恋。
忘れたはずの体温。
そして、今も終われない恋。
守ってくれる人を愛することと、心を鳴らす人を選ぶことは、同じではない。
17歳差の女友だち。
ひとりは、自分を守ってくれる恋の中で、自分自身を守ろうとする。
もうひとりは、現在と過去、二つの未練のあいだで再び揺れ始める。
これは、誰かの人生のエキストラだった女たちが、
愛されることに甘えるのではなく、自分の欲望と選択を引き受けていく物語。