あらすじ
前世では、三十一歳の海洋生物調査員だったアリス。
海を愛していたはずなのに、長期航海、調査報告書、講義、水族館からの依頼に追われ、海の生き物をのんびり眺める暇すらなかった。
そんな彼女が目を覚ますと、十八歳の第七夫人になっていた。
七番目なら国王陛下から放置され、衣食住の保証された生活を送りながら、好きなだけ海を眺めて暮らせる。
そう喜んでいたアリスだったが、こっそり乗り込んだ沿岸航海で、船が巨大な海洋魔物に襲われてしまう。
アリスは前世の知識と水魔法を使い、魔物を倒さずに船を救う。
しかし、その身体には魔物を操る黒い杭が打ち込まれていた。
陸路を敵国に握られたルシェリア王国に残された道は、危険な海を越え、二つの国へ続く新たな交易航路を開くこと。
海洋魔物を操る海賊。
毒を持つ見慣れない貝。
満潮の時だけ開く秘密の水路。
人間を憎む小さな種族と、恐ろしい魔物だと教えられてきたサルカ。
アリスは個性豊かな夫人たちや、海を愛する若き国王イシュランとともに、海の生き物を殺すのではなく、その習性を理解することで危機を切り抜けていく。
静かに海を眺めて暮らすはずだったのに、航路を開き、国を救い、なぜか国王陛下から一番大切にされることになってしまい――。
海洋知識で危険な海を切り開く、第七夫人の異世界航路開拓ラブファンタジー。