あらすじ

高校二年のダンのもとに、文字化けだらけのメッセージが届いた。差出人は、喧嘩したまま口をきいていない恋人、ハルナ。復元してみると、それは助けを求める文面だった。長野の小さな町で、同行者が高熱を出し、坂の下の病院に運ばれた。けれど誰も来ない。窓の外は林で、コンセントは手の届かない高さにある——。  発信元の座標は、水野町の外れを流れる川の、水面の真上を指していた。  ダンは、相棒の診断ロボット・ジョンと、ハルナの弟ケンタを連れて、水野へ向かう。だが、その町に、彼女の書いた宿も病院も存在しなかった。  案内してくれたのは、木の上から人語で話しかけてきた、太った赤茶縞の猫だった。名をロクベエ。千年を生きたという。報酬は、いわしバーガー三つ。  これは、原因を突き止められないまま、それでも人を助けようとする者たちの記録である。病の正体はわからない。薬がなぜ効くのかもわからない。それでも、生きている者には飲ませ、そうでないものには、同じ一包を供える。

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カクヨム
カクヨム2026/08/03
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