あらすじ
家族とは、安らげる場所だと信じていた。
父は穏やかで、母は誰よりも優しい。祖父は地域の人々から慕われ、いつも家族の真ん中で笑っていた。そんな日常は、そんな祖父が亡くなった日を境に、少しずつ形を変えていく。
父方の祖母は、母を何度も呼び出し、何気ない一言で人を傷つけ、自分では気づかないまま家族の時間を奪っていった。母は何も言い返さず、父は見て見ぬふりをし、私はただ、その光景を見つめることしかできなかった。
これは、祖母を責めるための物語ではない。
「家族だから」
この言葉の中で、誰かが我慢し続けることは本当に当たり前なのか。誰かを思いやるとは、どういうことなのか。祖父が守っていたものは何だったのか。そして私は、この家族の中で何を受け継ぎ、何を受け継がないと決めたのか。
これは、一人の孫娘(二十四歳)が見つめ続けた家族の記録であり、過去を責めるためではなく、未来を選ぶために綴った一冊である。