あらすじ
高校最後の冬。受験という冷酷な現実の足音が近づく教室で、誰もがそれぞれの「予防線」を張って生きていた。
本編の主人公・藤代詩乃は、傷つくことを恐れるあまり、冴木郁斗からの不器用な歩み寄りを「自分への勘違いだ」と冷たくシャットアウトし、静かなる打算バッドエンドへと滑り落ちていく。
――だが、それは同じ教室の片隅で、別の少女が描いた完璧なシナリオの「余波」に過ぎなかった。
クラスの上層部にいながら委員会の面倒事は秒で切り捨て、交遊関係は親友以外お断り。頭の良さだけを武器に教室の空気を支配する、孤高の女子・黒川結愛。
彼女のたったひとつの目的は、誰にでも優しい冴木郁斗を周囲から完全に孤立させ、自分だけに向けられた歪んだ矢印へと完全に絡め取ること。
教室の空気が冷たい噂話で凍りつき、詩乃たちが「お行儀よく」自滅していくその裏で、結愛の望む「歪んだ大勝利」の歯車は、狂いなく噛み合っていく。
視点が変われば、結末は反転する。
これは、ひとつの教室で起きた「少女の絶対的ハッピーエンド」と「本編ペアの救いようのない破滅」を描く、マルチ世界線スピンオフ第3弾。
※本作は『好きって言えない…』シリーズのスピンオフ第3弾です。
※本編(第1作〜第3作)とあわせてお読みいただくことで、教室の裏側で起きていた恐るべき真実が明かされます。