あらすじ
長雲の外れ、誰も知らない洞窟で生まれた“無名のスライム”は、鉱物・薬草・魔獣を取り込み続け、進化しながら孤独に耐えていた。
「仲間が欲しい」――その感情だけが、曖昧な意識の奥底に残っていた。
ある日、洞窟に逃げ込んできた下女の亜人少女・レン(蓮)と遭遇する。
彼女は第七皇妃・朱華を狙った後宮の暗殺計画に巻き込まれ、追手に傷つけられ瀕死だった。
最期の瞬間、レンは震える手でスライムに触れ、
「……幼い朱華様を……陰謀から守って……」
と願いを託し、自らを取り込ませて息絶える。
少女の記憶・姿・名前を継いだスライムは、“レン”として後宮へ潜入することを決意する