あらすじ
時代とともに変わっていく、メンズエステ。
刺激を求める声が大きくなり、店もセラピストも、いつしか同じ方向へ走り始めていた。
そんな現代に、ひとりの男がふと思い出す。
「昔のメンズエステって、よかったな」
その言葉から蘇るのは、かつて恋をしたひとりの女性。
特別な女性だったわけではない。
ただ、一緒にいると心が安らぎ、帰り際の「またね」という一言が、いつまでも心に残った。
男が本当に恋をしていたのは、彼女だけではなく、
彼女と過ごした「あの時間」だったのかもしれない。
仕事、家庭、社会。
大人になればなるほど、背負うものは増えていく。
それでも男は、ふと思う。
自分は、本当にこんな刺激を求めているのだろうか。
忘れかけていた「男であること」。
誰かに優しくされること。
何気ない会話。
何も起こらないのに、なぜか心が満たされる時間。
それは、かつて恋をした女性と過ごした時間と、どこか似ていた。
変わってしまった時代を、ひとりの男が変えることはできない。
社会への不満も、どうしようもない現実も、消えるわけではない。
それでも
「古き良きメンズエステを、もう一度。」
男は、自分が信じる癒やしと、失われつつある男のロマンを探し始める。
これは、過ぎ去った時代を懐かしむだけの物語ではない。
いくつになっても、男は夢を追いかけていい。
そう信じるひとりの男が、
失ったものと向き合いながら、
もう一度、自分の「ロマン」を探していく物語