あらすじ
「鬼」と呼ばれる男には、誰も知らない優しさがあった。
鋭い目つきと顔に残る傷のせいで、人を寄せつけない黒崎蓮。けれど、その傷は幼なじみを守った証であり、茶道の先生だった祖母に育てられた彼は、誰よりも穏やかな心を持っていた。
そんな蓮の前に現れたのは、どこか頼りなく見える新入社員・白石凛。
彼女は周囲には弱そうに見えるが、それは面倒ごとを避けるための仮の姿。本当は家族の影響で幼い頃から極真空手を続け、誰にも負けない強さを胸に秘めていた。
見た目で誤解され続けてきた二人は、少しずつ惹かれ合っていく。
しかし、過去の因縁が再び蓮を追い詰める。
彼が守ろうとしたその瞬間、静かに前へ出たのは凛だった――。
本当に強いのは、拳ではない。
大切な人を信じ、守り抜く覚悟だった。
見た目ではわからない優しさと強さが紡ぐ、静かで切ない純愛物語。