あらすじ
十二歳の少年レイは、旅を続ける両親とともに、静かな町で暮らしていた。
初めてできた友達。
初めて自分から「ここに残りたい」と願えた場所。
しかし、その小さな願いをきっかけに、両親は人の心を失った《堕魂者》へと変貌する。
町の人々を襲う両親を斬ったのは、上級昇魂者セイン・ヴァルグレイだった。
自分の中にも、両親と同じ危険な力があると気づいたレイは、セインへ願う。
「僕も、お父さんとお母さんみたいになるなら……そのときは、僕を殺してください」
こうしてレイは、いつか自分を殺すかもしれない男と旅に出る。
魔物の討伐、魔族の目撃調査、怪しい事件、そして教会の地下で骨を仕分ける妙な仕事。
無愛想な師匠に叱られながら、レイは剣を学び、人を守る方法を学び、自分の意思で選ぶことを覚えていく。
けれど、レイの魂が強くなるほど、彼が《堕魂者》となったときの危険も増していく。
これは、殺してくれるから信じた師匠を、
いつしか誰よりも失いたくなくなった少年の物語。
そしていつか――
師匠が、僕の首に刃を添えるまでの冒険譚。