あらすじ
【あらすじ】
渋谷駅から少し外れた、築50年の雑居ビル三階。
そこが多咲秋(たざきあき)、27歳の家だ。
学歴なし、金なし、水道すら止められる暮らし。
稼ぎ口は二階の便利屋事務所「生活サポート会社」からの、汚れ仕事のお下がりばかり。
借金の取り立て、素行調査、揉め事の後始末——
綺麗事じゃ食っていけない仕事を、悪態をつきながらも今日も引き受ける。
金のため。それだけのはずだった。
だが目の前で誰かが困っていると、放っておけない。
損得より先に体が動いてしまう、不器用な性分だけは変えられない。
渋谷の片隅、水の底に沈むように生きる男の、
汚くて、不格好で、それでもどこか眩しい日々が始まる。
【登場人物】
■ 多咲秋(たざき あき)27歳
本作の主人公。北九州出身、20歳で上京。便利屋の下請けとして日銭を稼ぐ。