あらすじ

雨宿りで飛び込んだ商店街の路地裏に、〈珈琲 シリウス〉という古い喫茶店があった。  杉原陽菜多、二十歳。K女子大の文学部二年生。恋愛経験、ほぼゼロ。  差し出されたタオルは、お日さまの匂いがした。ゆっくり温めた牛乳のカフェオレは、砂糖を入れていないのに甘かった。財布に三百二十円しかなかった私に、マスターは「残りは、今度晴れた日に顔を見せてくれたらチャラ」と笑った。  小暮修一郎、四十六歳。八年前に奥さんを亡くして、ひとりで店を続けている人。  父と五つしか違わない。誰がどう考えても、無謀な恋だった。  やがて商店街に再開発の話が持ち上がり、店は閉店へと追い込まれていく。  さらに、亡くなった奥さんによく似た女性が、店にあらわれて——。  私のライバルは、歳を取らない思い出。  それでも、なかったことにだけは、したくなかった。  二十六歳差の、遅すぎて早すぎる初恋の物語。  毎日21時更新・全九話

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/08/02
  • 現在の作品たそがれ色のカフェオレ