あらすじ
いろは四十七文字の唄で、異界の侵食――この世ならざるものを祓う。
山あいの旧家、蔵屋家の一人娘ひよりと、ある日突然その家の養子になった同級生・霧山凪沙。
特異な知覚を持つ二人が、唄を頼りに「いろはの内と外」――世界と、お互いの境界に向き合っていく、現代和風百合ファンタジー。
―――
五月の連休明け、いつもクラスで一人きりの霧山凪沙が、なぜか私の家への道を辿っていた。
母の説明はいつも通り雑だった。
要約するとこうだ。
「今日から凪沙ちゃんはうちの子です。ひぃちゃんと離れで一緒に暮らしてもらって、夜は同じベッドで寝てもらいます」
……どうしてそうなるの?