あらすじ
十五年前、使節団は消えた。
そして今も、その理由を知る者は誰もいない。
新人外交官クラリスが任された最初の仕事は、十五年前の外交記録を整理することだった。
誰も気に留めなくなった、ただの古い事件。
そのはずだった。
だが、消えた記録、食い違う証言、地図にない道――調査を進めるほど、誰かが今もなお真実を隠し続けていることだけが明らかになっていく。
旅の途中で出会う人々は、それぞれ異なる正義を抱えて生きていた。
国が違えば、歴史も違う。
敵だと思っていた者にも、守るべきものがある。
これは、剣で世界を救う英雄の物語ではない。
一人の外交官が、人を知り、国を知り、歴史を知る。
そして、世界そのものの真実へ近づいていく物語。
――その日から、クラリスの「ただの仕事」は、世界を知る旅へ変わっていった。