あらすじ
異世界へ転生したルーク・エヴァンスは、十九歳になってもレベル1のままだった。
スライムを百匹倒しても経験値はゼロ。
固有技能《帰還保証》も、表示されるのは「保証枠0」の一行だけ。
初心者パーティーから外された帰り道、ルークは牙猪に襲われた伝令見習いを見つける。
逃げれば自分は助かる。戻れば、たぶん間に合わない。
それでもルークは、荷車と荷縄を使って少年を王都まで連れ帰った。
その瞬間、何を倒しても増えなかった数字が初めて動く。
直接帰還実績、一。
《同伴保護》を解放しました。
《帰還保証》が育つのは、自分より危険な魔物や災害から、誰かを指定された場所へ生きて帰した時だけ。
攻撃すれば能力は止まり、危険へ向かう往路ではレベル1のまま。最初に保証できる人数も一人だけ。
それでも、ギルドの階段下には、誰も引き受けない救助依頼が残っていた。
報酬、銅貨三枚。
ルークはその一枚を取り、無許可営業に厳しいギルド監査役エルナと衝突しながら、生還専門の帰還保証店を始める。
これは魔王を倒す物語ではない。
帰れなくなった人を、一人ずつ迎えに行く物語だ。