あらすじ
二十七歳の三津橋玲司は、卓越したメイク技術と女声、体型補整具を駆使し、清楚な十九歳の女性「白瀬澪」になりきっていた。十八歳以上限定の創作衣装交流イベントへ潜入した彼の目的は、若い女性だと信じ込ませた参加者たちに近づき、個人的な関係へ持ち込むことだった。
順調に連絡先を集める玲司の前に現れたのは、派手な十九歳のギャル「桃瀬ララ」を演じる女装コスプレイヤー・九条蓮。玲司の不自然な言動と悪意ある誘い方を見抜いた蓮は、三度にわたって彼の企みを妨害する。
追及を逃れるため、玲司はウィッグ、メイク、補整具を取り替え、別の女性「赤城ユナ」へ変装。しかし、歩き方や何気ない仕草から正体を見破られ、変装技術を競う公開企画で蓮と決着をつけることになる。
敗北を認めず逃走を図った玲司は、もみ合いの中でウィッグや体型補整具を失い、作り上げた女性像を次々と崩されていく。だが、最後に暴かれるのは女装そのものではない。他人の判断する権利を奪い、偽りの姿を利用してきた玲司の卑劣さだった。
仮面を剝がされた男は、自分の技術と罪を切り分け、再び別人を演じることができるのか。
変装を武器に人を操る男と、変装を表現として守ろうとするライバルが激突する、逆転・潜入コスプレサスペンス。