あらすじ
「まぁ一杯だけ」
飲み会で向けられるグラスを、私は今日もウーロン茶で静かにかわす。付き合いが悪いと思われても構わない。私には、一生シラフでいなければならない理由があるのだから。
かつて私は、仕事の重圧から逃れるように酒に溺れていた。そしてその結果、私を慕い、私を呼びに来てくれた一番大切な存在を、この手からこぼれ落としてしまった。
これは、弱かった私が、本当の意味で「自分の足で歩く」ようになるまでの物語。
あの一匹の猫が命を懸けて教えてくれたことを胸に、私は今日も、クリアな視界でこの世界と向き合っている。