あらすじ
婚約破棄。国外追放。
公爵令嬢リーゼロッテ・フォン・ローゼンベルクは、すべてを失いました。
――そう思っていたのですわ。
森で魔物に襲われ、人生もここで終わりかと思ったその時。
彼女を助けたのは、白馬の王子様でも最強の騎士でもありませんでしたわ。
煤だらけの工房で暮らす、一匹の無愛想なゴブリン鍛冶師。
「明日は朝四時だ」
「どちらへ向かいますの?」
「ドラゴン狩り」
「…………嫌ですわああああ!」
こうして始まったのは、公爵令嬢らしい優雅な第二の人生――ではなく、毎朝四時に叩き起こされ、ドラゴンや古龍を狩り、崖を登り、鉱石を掘り、伝説級の素材を集める命懸けの職人生活でした。
「この牙は剣になる」
「その鱗は鎧になる」
「その石は捨てるな」
素材しか見ていない偏屈なゴブリン鍛冶師と、毎日悲鳴を上げながらも少しずつ職人の世界へ染まっていく元公爵令嬢。
気が付けば、王子のことなどどうでもよくなり、世界中の鍛冶師が欲しがる素材を追い掛ける毎日が始まります。
婚約破棄より恐ろしいのは、朝四時のドラゴン狩り。
恋愛より素材。
舞踏会より鍛冶場。
これは、悪役令嬢が世界最高の鍛冶師の弟子となり、伝説の武器を生み出すまでの、笑って、泥だらけになって、時々命がけの素材収集ファンタジーですわ。