あらすじ
父親の期待に応えられず、居場所を失った高校一年生の陸。あてもなく彷徨い着いた廃線跡の空き地で、彼は古い赤電話ボックスを見つける。
線も繋がっていないはずの電話機。陸が何気なく受話器を取り「0」のダイヤルを回すと、ノイズの向こうから威勢のいい若い男の声が聞こえてきた。
男の名は、蓮見健造。それは陸が生まれるずっと前に亡くなった、若き日の祖父の名前だった——。
夕闇が街を包む数分間、時代を超えて交わされる不器用で温かな対話。一人の少年が心の傷を抱え、再び現実へと歩み出すまでの、切なくも優しいノスタルジック・ファンタジー。