あらすじ
大樹の街ヴェルガモットの隅にある、潰れかけの弱小薬舗『木漏れ日堂』。
そこで働く見習い調剤士の青年ネストは、本気で悩んでいた。
「はぁ……今日も失敗作しか作れなかった。もっと努力して、ちゃんとした薬を作れるようにならなきゃ」
幼少期、超スパルタな『薬聖』の祖父に厳しく育てられたネストは、自分の凄まじい技術に一切気づいていない。
彼が「ろくに不純物も取れていない未熟な気休め薬(自称)」として差し出すものは——
どんな凶悪な致死毒すら一瞬で消し去り、死にかけた者すら完治させる超高純度の『神薬』だった!
患者の命を金としか思わない悪徳な巨大医薬院の妨害も、刺客が仕掛けた凶悪な劇薬も、ネストの「ただの真剣な善意と異常な基礎技術」の前にあっけなく粉砕されていく。
本人は「僕の下手くそさのせいでお怒りになって逃げてしまった……」と真剣に落ち込む傍らで、裏社会や敵対ギルドは、一瞬で毒を無力化(破壊)してみせる彼の冷徹な(※パニック中の)手捌きに恐怖し、戦慄していた。
「な、なんだあのバケモノは……! 毒を治したんじゃない、毒の概念そのものを殺したんだ! あいつが噂に聞く『伝説の毒殺者』か……!?」
本人はどこまでも純粋で謙虚な人助け。
けれど周囲の評価はどんどん明さぬ方向へと重なっていく!
無自覚な規格外調剤士が織りなす、大爽快&大爆笑の勘違いコメディファンタジー、開幕!