あらすじ
魔法の威力を競い合う世界で、シリルの魔力は雀の涙ほど。魔導学院の門を叩くことすら叶わなかった彼が得た仕事は、王立薬草研究所の「庭師兼雑用係」だった。
派手な攻撃魔法は一切使えない。けれど、愛用の剪定鋏(せんていばさみ)を握らせたら彼の右に出る者はいない。植物の健康状態を見抜き、1ミリ単位で枝を整えるシリルの仕事は、一見地味だが研究所の安全と薬草の品質を陰で支えていた。
変人だが天才的な調合術を持つエルフの所長・アリアンロッドと、シリルが密かに心を寄せる気品あふれる秘書の少女・エレナ。
一癖ある人々に囲まれながら、今日もシリルは静かに庭園の手入れに励む。
そんなある日、研究所の薬草を一瞬で枯らし尽くす恐ろしい植物病害『黒い腐敗』の影が忍び寄り――?
派手な冒険も世界救済もない。けれど、大切な場所と好きな人を守るため、一人の青年が「地味な手技」で立ち向かう!
ほのぼのお仕事&職人技スローライフファンタジー