あらすじ
仕事だけが人生だった二十四歳の会社員、甘城萌香(あまぎ もか)。
唯一の楽しみは、仕事帰りにスーパーで買うチョコレートやお菓子だった。
ある日、買い物帰りに階段から転落し、目を覚ますとそこは降魔戦争終結から六年後の日本――零和暦六年だった。
そこはダンジョンと魔物が存在し、探索者たちが戦うもう一つの日本。
戦争によって食料は高騰し、本物のチョコレートはカカオ不足で幻の高級品となっていた。
絶望する萌香だったが、転生と同時にユニークスキル**《魔法取り寄せ》**を授かる。
令和の日本で買った商品はすべてポイントへ変換され、そのポイントを使ってリュックから何度でも現代日本の商品を取り寄せることができるのだ。
天然水、菓子パン、お菓子、飲み物――。
この世界では当たり前だった物が、戦後の日本では宝石にも匹敵する価値を持っていた。
本物のチョコレートの香りに導かれ、萌香は猫獣人のD級探索者朝霧琥珀と出会う。
「そのチョコレート……本物なの?」
琥珀は萌香が別の世界から来たことを知り、その秘密を守るため、自らの住む**北八王子・魚人街(ゾーンB)**へ彼女を連れて行くことを決意する。
現代日本の”当たり前”を武器に、戦後の異世界日本を生き抜く一人の女性。
美味しいお菓子が、人を笑顔にし、時には世界さえ変えていく――。
これは、甘いものが大好きな普通の会社員が、戦後の異世界日本で新たな居場所を見つけていく、グルメ×異世界×スローライフファンタジーである。