あらすじ
人は自分の人生を、自分の意志で決めていると信じている。だが本当にそうだろうか。
平凡な家庭に生まれた「僕」の特徴は、ただひとつ。言われたことの逆をやる、あまのじゃくな性格だけだった。両親は「大学なんて行かなくていい」「大企業になんて入ったら社畜になるだけ」と言い続け、僕はその逆を行くように育っていく――はずだった。
一流大学の卒業を目前に控えたある日、僕は突然退学し、起業する。きっかけは、尊敬する先輩の一言だった。「お前は、社畜になるな」。順風満帆だったはずの先輩は、理不尽な会社に心を壊され、辞めるという選択肢すら自分では選べないまま、静かに社会から姿を消していた。
僕が作った「面接AI」は、瞬く間に大企業へと広がり、優秀な人材だけを選び出していく。だが十年後、それを導入した企業の多くが、業績悪化で姿を消すことになる――。
僕はなぜ、その結末を予見できたのか。そして、あまのじゃくな僕の「決断」は、本当に僕自身のものだったのか。