あらすじ
犯人・梶山太一の動機は、家族が高名な占い師に人生を狂わされた過去への復讐だった。届かぬ怒りの矛先は、やがて務の中で、太一の何の罪もない妹・恵美へと向かっていく。
奪われた者が、奪う者になる。壊された者が、壊す者になる――そのとき務が辿り着いた選択は、憎しみでも、赦しでもなかった。
「なあ、梶山太一……俺と、友達にならないか」
一枚の手紙が繋いだ、加害者と被害者。その先に待っていたのは、あまりにも切なく、あまりにも人間らしい結末だった。
壊れた心は、誰かを壊すことでしか埋まらないのか。それとも――。
慟哭必至のヒューマンミステリー。