あらすじ
【完璧を演じる偽物令嬢が、顔も知らない職人の楽器で、無自覚に天才たちを狂わせていく多重すれ違い群像劇】
路地裏の泥底から大貴族に拾われた孤児コレット。生存戦略として完璧な「洗練された令嬢」を演じる彼女の音楽は、寸分の狂いもないが冷たい機械の音――『はりぼての造花』だった。
だが、彼女の手にあるのは、父の影を払った泥臭き職人ニコラが、まだ見ぬ少女の執念を支えるために命を削って作り上げた『本物の武器(ヴァイオリン)』。
顔も知らない二人の魂が楽器を通じて共鳴した瞬間、放たれた剥き出しの響きは、世界を映すだけの空っぽな天才少女ジュリエットの魂に、ドロドロとした狂気の火をつけてしまう。
全てを見抜く耳を持ちながら人間関係だけは綺麗に読み違える伯爵が「暁の聖母」を投げ込み、事態は最高に前向きで最低な方向へ!
騙し騙され、狂い狂わされる、はりぼて達の狂騒曲が今、幕を開ける。