あらすじ
アルビオン王国最大の港町・ルーメリア。
その沖に建つ大灯台の聖火を代々守る灯守一族の娘・セレナは、第二王子から「火を灯すだけの女」と蔑まれ、侯爵令嬢へ乗り換えられて婚約を破棄される。
しかも王家は、「婚約は破棄するが、これまで通り聖火だけは守れ」と身勝手な命令まで下してきた。
——お断りします。
王家との契約が終わった以上、王国へ聖火の加護を届ける義務も終わりです。
セレナは王国への加護を止め、故郷ルーメリアだけを守ることを決める。
その結果、ルーメリアはいつも通り穏やかな海に包まれる一方、聖火を「使用人でも管理できる」と豪語していた侯爵令嬢の港は魔海に飲み込まれ、王都にも未曾有の災厄が押し寄せる。
一方、世界一の水魔術師だけは昔から知っていた。
王国を守っていたのは灯台ではない。
——毎日、誰にも知られず聖火を守り続けてきた、彼女だったことを。
これは、「火を灯すだけの女」と蔑まれた灯守が、本当に守るべき人々だけを守る物語。