あらすじ
午前二時十七分、五年前の洪水以来、一度も鳴っていない救助鐘が鳴った。
同じ夜、防災センターの倉庫から医薬品が一箱消える。扉の封印は破られておらず、出庫記録も残っていない。
危機管理課の臨時職員・三枝奈緒は、鍵、帳簿、赤土の足跡、消された災害記録を手がかりに調査を始める。
やがて事件は、行方不明になった少年と、五年前に記録から消された住民たちへつながっていく。
救助鐘を鳴らしたのは誰なのか。
薬箱を動かした目的は何なのか。
一つに見えた事件の裏には、別々の罪と、それぞれの正義が隠されていた。