あらすじ

2027年、日本にいた美帆が扉の先で出会ったのは、異世界へ転移した保護猫カフェ「ねこオアシスオハナ」だった。 そこには、さまざまな事情を抱えた猫たちが暮らしている。 初対面のお客様の膝へ乗る21歳のクッキー。右目を失っても人を信頼するテプ。8匹の一家を静かに見守る母猫リリー。そして、人には近づけなくても、怖がる猫たちには寄り添える福。 猫は言葉で過去を語らない。 なぜ人を怖がるのか。 なぜごはんを食べないのか。 なぜ触れようとすると逃げるのか。 それでも、表情やしぐさ、食事や排泄の小さな変化は、猫が懸命に伝えている言葉なのかもしれない。 新しい猫の保護、感染症検査、病気や怪我のケア、高齢猫の介護、譲渡と1か月のトライアル。そして、ときには避けることのできない別れ。 美帆は猫たちと過ごしながら、保護することは、ただ命を助けることではないと知っていく。 怖がる猫が初めて目の前でごはんを食べた日。 触れられなかった猫が、そっと尻尾を寄せてきた日。 新しい家族のもとへ送り出した猫が、再びオハナへ帰ってきた日。 そして、大切な命を腕の中で見送る日。 そのすべてが、猫と人が家族になっていく時間だった。 一方、世界各地から来た転移者たちは、地球では同じ瞬間に姿を消しながら、異世界では異なる時代と場所へたどり着いていた。 なぜ彼らは呼ばれたのか。 なぜ猫たちまで異世界へ来たのか。 白い猫と古い扉は、何をつなごうとしているのか。 体長1メートルほどもあるケットシーのデンは、何かを知っているようだが、肝心なことは話してくれない。 世界の謎が少しずつ動く日も、猫には毎日のごはんと清潔なトイレ、安心して眠れる場所が必要だ。 これは、特別な力で猫を救う物語ではない。 目の前にいる1匹の猫をよく見て、その声にならない思いを受け取り、今日できることを積み重ねていく物語。 異世界の保護猫カフェ「ねこオアシスオハナ」で紡がれる、猫と人の、優しくて少し切ない日常。

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小説を読もう2026/08/01
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