あらすじ
「ここは世界で一番空に近い檻」
〜ディストピア一歩手前のオメガバースの世界で運命の番が幸せになるまで
昔々。
でも、俺が生まれるより少し前。
先人たちは、間違いを犯した。
理由は単純なもの。
愛欲ゆえに理性をかなぐり捨てて狂う性(さが)を認められなかったから。
そのために家族を失う可能性に恐怖したから。
世界は、Ωという第二の性を持つ人種を蔑み、捕らえ、不当に殺した。
第二の性が存在する世界の、細い綱渡りのような均衡は瞬く間に壊れた。
報いは、比較的すぐにその時代のαとβに現れた。
そして次世代に大きな影響を与え、世界に知らしめた。
Ωの存在の必要性を。
やがて来るだろう、遠くない未来。
Ωが死に絶えた世界では、αは生きられない。
そんな未来が、βしか存在しない未来が、確実に待っている。
αやΩ、第二の性などというものすら存在しない平等な世界が、きっとそこにはあるはずだ。
……それはきっと、とても平和な世界なんだろう。
α、β、Ωという第二の性が存在するオメガバースの世界観です。
独自解釈のオメガバース観も含まれます。
重苦しいばかりの話ではありません。
主人公たちは彼らの当たり前の日々を、彼ららしく生きています。
法律と、日常と、食べ物と、常識と。
ギリギリの理性なんかと戦いながら。
世界の動乱で激減したΩ。
第二の性の人口数バランスが崩れた世界。
そんな中で出会った運命の番が、本能と恋に翻弄されながら幸せになるまでのお話です。
あ、十八歳になるまで、番契約と濃厚な肉体的接触は法律に触れますから、オアズケですよ?
どうぞ、お楽しみくださいませ。