あらすじ
勇者パーティーの荷物持ち、ルカ・フェルド。
討伐数ゼロ。攻撃魔法も回復魔法も使えず、受け取る報酬だけは勇者たちと同額。
そんな自分は仲間の負担になっている――というのは建前で、本当は実家へ帰りたい。
朝は少し遅く起きて、畑を耕し、薪を割り、日が暮れる前に風呂へ入る。ルカが望んでいるのは、そんな平凡な暮らしだった。
そこへ有名冒険者から、「その寄生虫を追放しろ」と願ってもない申し出が飛び込んでくる。
これでようやく帰れる。
そう思ったルカだったが、比較任務で黙っていようとするたび、仲間の危機を最小の手順で解決してしまう。
古い水門を開けて砦を五十七秒で制圧。
崩れる監視塔から仲間を三歩だけ動かす。
族長の一撃を半歩かわさせ、本人に支柱を折らせる。
ルカは「一度見せれば誰にでもできる」と思っている。
しかし勇者たちは、彼を追放するどころか、その判断を記録し、待遇を改善し、新しい役職まで作り始めた。
追放申請は、なぜか昇格辞令に。
実家へ帰るために頑張るほど、帰れなくなっていく。
これは、仲間思いの役立たずが、追放を目指して最強の攻略参謀へ昇格していく、逆追放コメディ。