あらすじ
※本作は、フルボイス・360°背景のサウンドノベル版もブラウザで無料公開しています。
https://yuichi916.github.io/seikai.html
地下世界アビスの最底辺、第五層「廃棄層」。
番号だけで呼ばれる少年カイには、誰にも言えない力があった。
目的を定めれば、そこに至る最善の道筋が、金色の線となって視える力。
母を喪った日に手に入れた、生き延びるための唯一の武器。
正解が視えるのは便利だと思うだろう。
俺もそう思っていた。三年前までは。
今は呪いだと思っている。正解が視えるということは、間違える自由がないということだから。
ある日、記憶を持たない少女リーンが廃棄層に送られてくる。
夢を見ない。涙が出ない。初めて会ったはずのカイの名前を、言い当てる。
そして——彼女だけが、カイの道筋に映らなかった。
だがカイの道筋は、リーンを排除した未来に「何もない」と告げる。
リーンがいない道は、行き止まり。
リーンがいる道だけが、どこまでも続いている。
道が視える少年と、道を持たない少女。
二人は地上を目指す。空を見るために。
──これを書いている今、君はもういない。
いや、正しくは、まだいない。