あらすじ
「なんやお兄さん。俺のこと買ってくれるんか?」
うなだれて、片膝を立てて座っていた青年は、顔を上げて第一声笑顔でそう言った。どう見たって問題まみれの男だった。
「そうだな」
なぜそう言ってしまったのか。口走った直後の俺は、自分の言葉が全然理解できないまま、その青年を担いで歩き始めた。
短気単身赴任先で見つけた青年。地下道路の片隅に座り、空の缶酎ハイを傍らに置いて、片膝を立ててうなだれる。大量の白い錠剤。吐いたのだろう、液体の中で溶けている。酒と胃液の混ざった、何とも言えないニオイが青年の周りに滞る。
捨て猫みたいな男を拾い、社宅のアパートで飼うことになった、橘良助。42歳、バツイチ。会社員。
良助に拾われた問題山積青年、四季淡雪。
20歳、未婚。保育士。身売りをする精神疾持ち。
酔いつぶれた淡雪を拾った良助。ワンナイト相手を探して座り込んでいた、酔いつぶれた淡雪。
淡雪の背負うものを知り、良助は淡雪に惹かれていく。