あらすじ
パリに留学していた僕、桐谷ハルは、同じ留学生の君と出会い、恋に落ちた。だが帰国の日は最初から決まっていた。別れの前夜、二人は最後の旅としてマルセイユを訪れ、夕焼けを眺めながら「十年後の今日、またこの街で再会しよう」と誓い合う。
日本に帰った僕は、君と過ごしたフランスでの日々を忘れられないまま、日常を過ごしていた。父の死をきっかけに心を病み、社会から距離を置いていたとき、喫茶店シガレットで高校時代の同級生・美嘉と再会する。彼女の隠された過去を知り、恩返しとして救おうと奔走するうちに、僕は少しずつ前を向けるようになっていく。
そして、約束の十年後。美嘉から思いがけない後押しを受け、僕はマルセイユへと飛ぶ。そこで待っていたのは、本当に僕を待っていてくれた君の姿だった。
「どうして来てくれたの?」
僕がそう尋ねた瞬間、君の口からこぼれた言葉は、僕を天国から地獄へと突き落とした。
十年間、想い続けた再会の先にあったのは、幸せな結末だったのか——それとも。