あらすじ
戦争、貧困、災害――苦しみの絶えない現代の地球を見て、現在のお釈迦様は考えた。
「私の教えが、足りなかったのかもしれない」
そこでお釈迦様は、悟る前の自分――二十九歳のゴータマ・シッダールタを現代へ送り、新たな悟りを探させることにする。
同行者に選ばれたのは、宗教家でも哲学者でもない、現代の女性編集者・紬。
危険な水準まで好奇心を引き上げられたシッダールタは、お釈迦様から授かった全百八式の「御仏の技」を手に、現代社会の理不尽へ飛び込んでいく。
怪しい自己啓発書。
特殊詐欺グループ。
数字と成長に追い立てられる人々。
そして、経営改革を必要としている地獄――。
シッダールタは、人間が信じる「正しさ」を文字どおり実践し、その矛盾を本人へ返してしまう。
紬「目的が壮大なら、本人の同意はいらないと思ってます?」
これは、悟る前のお釈迦様と、誰に対してもツッコミが速くて正確な女性編集者が、現代の常識と正しさをひっくり返しながら、新しい悟りを探す旅。
現代社会風刺×異能バディ×ドタバタコメディ。
【主な登場人物】
■ゴータマ・シッダールタ
悟りを開く前の二十九歳。現在のお釈迦様によって好奇心を危険な水準まで引き上げられ、「御仏の技」を与えられる。常識外れだが、疑問を放置できない。
■紬
三十歳の女性編集者。宗教や哲学の専門家ではなく、現代社会で働く一人の生活者としてシッダールタの問いに向き合う。暴走するシッダールタの同行者兼ツッコミ役。
■現在のお釈迦様
自らの悟りを現代に合わせてアップデートするため、過去の自分と紬を旅へ送り出す。神々しい姿とは裏腹に、大雑把なところがある。
応募する全五話は、二人が現代社会を巡る長い旅の導入・序盤に当たります。物語は、この先も続く想定です。