あらすじ
前世で工場の品質管理員だった黒瀬冬真は、機械の異常を訴え続けた末、会社に報告を握り潰され、発生した事故で命を落とした。
異世界の孤児トーマ・リードとして生まれ変わった彼が授かったのは、物や魔法の壊れる条件だけが見える《不具合鑑定》。
欠点を指摘できても、修理も強化もできない。
「粗探ししかできないハズレスキル」
そう笑われ、王宮の倉庫で廃棄品を調べるだけの日々を送っていた。
ところがある日、王国最強と呼ばれる神造兵器が、儀式の最中に暴走する。
儀式前からトーマの目には無数の欠陥が見えていた。
「その剣を抜くな。抜けば、この広間にいる半分が死ぬ」
トーマの指示によって暴走を止めたのは、あらゆる武器を使いこなす最強女騎士セラ。
事件をきっかけに、二人は世界各地に散らばる九つの神造兵器を調査することになる。
必ず勝てる代わりに未来を奪う弓。
国を守る代わりに貧しい者を犠牲にする盾。
人々を従わせるたび、誰かの記憶から消えていく鐘。
完璧な力など存在しない。
これは、欠陥しか見つけられない男と、武器として育てられた少女が、最強という名の嘘を終わらせる物語。