あらすじ
御上への上納金を運び、都を目指して山道を進む護送隊。
その金が期限までに届かなければ、藩は取りつぶしになってしまう。
一行は藩の命運をかけ、険しい山道を進んでいた。
だが、その行く手には、上納金を狙う武装集団が待ち構えていた。
「命が惜しかったら、その金を置いていきな」
次々と仕掛けられる待ち伏せ。
崩される山道。
逃げ場を失った護送隊へ、さらに山に棲む巨大な妖までもが姿をあらわし、敵味方の見境なく襲いかかる。
賊と妖に挟まれ、絶体絶命に陥る護送隊。
そこへ偶然通りかかったのは、同心と盗人――二匹の鼠。
剣の腕は立つがぶっきらぼうな同心・阿茶屋竜之進と、何でも盗み出すちゃっかり者の少女・涼音だった。
「単なる成り行きだ。馬鹿野郎」
正面から敵を食い止める竜之進。
その一方で、涼音は敵の懐へ忍び込み、鉄砲も、鍵も、崩落玉までも盗み取る。
「悪いけど、おいらに盗めないものはないよ」
同心と盗人。
立場も気質も違う二人が、丁々発止しながらも、悪党どもの企みを砕いていく。
襲い来る賊と妖を退け、二人は上納金を無事に都まで届けることができるのか。
山道を舞台に、二匹の鼠の危うくも痛快な護送劇が始まる。