あらすじ
会社員の紡は、ある日、片方だけになった古い靴下に気がつく。
神様なのに冷蔵庫を漁り、服にこだわり、時には騒動を起こす。
平凡な会社員・紡(つむぐ)のもとに現れたのは、自らを神と名乗る四人の織姫たちだった。
優しく包み込む長女・兄媛(エヒメ)。
明るく奔放な次女・呉織(クレハ)。
毒舌と愛情が暴走気味な三女・穴織(アナハ)。
そして、人として生きることに強い未練を抱く末妹・弟媛(オト)。
彼女たちは遠い昔、大陸から織物の技術を伝えた伝説の織姫。
現代ではそれぞれ神として祀られながらも、人の世への想いを捨てきれずにいた。
神社を巡り、怪異と出会い、時には騒がしく、時には切なく――。
紡は彼女たちとの不思議な日常の中で、神々の孤独と願いに触れていく。
やがて明らかになるのは、弟媛が抱え続けていた悲願。
神である自分と、人である紡。
決して交わることのない時間を埋めるため、彼女は禁忌に手を伸ばしてしまう。
人と神は、本当に同じ時を生きることはできないのか。
京都から宗像へ。
失われた想いを追いかける旅の果てに、紡が選んだ答えとは――。
これは、神様たちに振り回されながらも、誰よりも彼女たちを受け止めた一人の青年と、四人の織姫が紡いだ、少し不思議で温かな神話譚。