あらすじ

北京で不動産仲介をしていた兆雲は、四十一度の猛暑の中、客を案内している最中に死んだ。 次に目を覚ました時、彼は後漢末の少年になっていた。 その名は――趙雲。 あの常山趙子龍である。 ここまでは、よくある話だったのかもしれない。 ただし一つだけ、致命的におかしなことがあった。 本物の趙雲も、まだその身体の中にいた。 「俺の身体から出ていけ!」 「出られるなら、とっくに出てるよ!」 同じ「ちょううん」という名を持つ二人は、一つの身体を奪い合いながら、やがて奇妙な共生を始める。 だが、彼らが生きる後漢末は、兆雲の知る『三国志』とは少しずつ違っていた。 太平道の符水から漂う、かすかな黴の臭い。 死んだはずの者が、再び立ち上がる村。 人の身体を蝕みながら、時に人ならざる力さえ与える何か。 黄巾の乱。 董卓。 呂布。 曹操。 劉備。 知っている歴史は、確かにこれから始まる。 ただし、その歴史の陰では、誰も知らないもう一つの災厄が広がり始めていた。 これは、英雄になるはずの趙雲と、英雄になどなりたくない兆雲が、同じ身体で乱世を生きる物語。 三国志演義を軸に、正史・民間伝承・中国の志怪を織り交ぜた、感染終末三国奇譚。 ※本作はカクヨムでも同時掲載しています。

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小説を読もう2026/08/01
  • 現在の作品趙雲に取り憑いた。――だが、趙雲本人の魂もまだいる ~黄天に活屍が満ちる三国志~