あらすじ
「自分の曲は、誰の記憶にも残らない」
高校二年生の榊原伶は、軽音楽部に所属しながら、誰にも聴かせない曲を書き続けていた。
演奏には自信がある。
それでも──自分で作った曲だけは怖くて録音すらできない。
そんな伶の未完成曲を、同級生の夏目彩葉が偶然耳にする。
翌日、彩葉は一度しか聴いていない旋律を口ずさみ、伶へ笑いかけた。
「私とバンドやろうよ。伶の曲、私が歌いたい!」
距離が近くて、明るくて、好きなものを好きだと言うことを恐れない彩葉。
彼女の歌声に背中を押され、伶はギターの水原環、ドラムの倉橋乃々とともに、四人組ガールズバンド《CANDY RIOT》を結成する。
初めて完成させた曲。
初めてのライブ。
レモン味のロリポップを巡る、近すぎる距離。
四人の音が大きくなるほど、伶と彩葉の間にも音楽だけでは説明できない感情が育っていく。
やがて四人は高校生バンドコンテストへ挑むことになる。
求められるのは、観客と審査員を確実に沸かせるキラーチューン。
勝てる曲を書こうとする伶に彩葉は問いかける。
「この曲を歌うとき、私は何を思えばいいの?」
大勢に評価される曲か。
たった一人へ本心を届ける曲か。
言葉にできない恋を音楽へ変える女子高生四人の青春ガールズバンドストーリー。
伶が最後に書き上げる告白曲は、いったい誰の心へ届くのか。