あらすじ
大陸最強と恐れられた将軍レイヴ・アルセインは、勝利のたびに増える墓標を見て剣を置いた。流れ着いた先は、借金、飢饉、汚職、隣国の侵攻に挟まれた小国フィルネア。若き女王ミレイアから差し出されたのは名剣ではなく、数字の合わない一冊の帳簿だった。
「敵兵を斬るより、この国の冬を越させてください」
宰相となったレイヴは、街道を直し、税を量り直し、敵国の商人すら味方に変える。だが彼が剣を抜かないと知った大国たちは、小国を盤上の駒として動かし始める。これは最強だった男が一度も王にならず、戦場ではない場所から世界の均衡を作り直す物語。