あらすじ
誰にも言えない秘密を抱えるユウキにとって、オンラインゲームの世界は唯一の避難所だった。
愛らしい少女の姿——『ユマ』として振る舞えば、誰も本当の自分を暴こうとはしない。
ネカマとして群がる男たちをあしらう毎日に、冷めた居心地の良さを感じていた、はずだった。
――ただ一人、誠実な騎士『ケント』と出会うまでは。
画面越しに交わす、飾り気のないテキストチャット。
下心もなく、ただ一人の人間として自分に向き合ってくれるケントに、ユウキの心は次第に解きほぐされていく。
だが、彼に惹かれれば惹かれるほど、心の奥底で黒い葛藤が渦巻き始める。
『可愛い女の子』として向けられる、彼の優しさと熱い視線。
嘘を重ねて彼を騙し続けることへの罪悪感と、女性として愛されることへの耐えがたい歪み。
画面の向こうの彼を想うたび、僕の心は悲鳴を上げていた——。