あらすじ
レコード会社でA&Rとして働く野口柚子は、終電を逃し続ける日々に疲れ果て、会社近くの中目黒へ引っ越してきた。
深夜の整体と、朝4時まで営業するカフェ『LAMP』だけが唯一の息抜き。
ある夜、カフェで物静かな青年と出会う。
しかも同じマンションの隣同士の住人だった。
九条と名乗った彼は、映画やドラマの主題歌を手がける人気ミュージシャン・蒼(SOU)。
依頼を受けた次回作のテーマにある『普通の独身社会人による一人暮らしの感覚』を掴むため、この街へとやってきたのだ。
なぜか柚子だけが彼の正体に気づかないまま。
数年前、無名だった彼が手にした不採用通知。
たった一行だけの手書きの文字列。
送り主は——野口柚子。
世界中が『蒼』と呼んでいる人を、柚子だけが知らなかった。
メモ一行分の、恋。
たった一行の手書き文字が、彼の人生を変えていたなんて。