あらすじ
「お前は俺たちの超高速戦闘に、もうついてこれない。足手まといの防水リュックはここで消えろ」
剣と魔法が支配する世界。
勇者パーティーの荷物持ち(ポーター)をしていたジーンは、迷宮の最深部で理不尽に解雇され、孤立無援のまま置き去りにされた。
しかし、勇者たちは致命的な勘違いをしていた。
泥だらけの悪路を滑ることもなく超スピードで動けていたのも、重さ百キロの鎧を着て動けていたのも、すべてはジーンが己のスキル【撥水】と【圧縮】で、空気抵抗や質量といった『物理法則』を完璧に管理(サポート)していたからだということに。
サポートを失い、自重と摩擦で泥に沈み、勝手に自滅していく勇者たち。
一方、自由になったジーンは持ち前の異常なプロ意識と、鍛え抜かれた極限の肉体を駆使し、新たな顧客の待つ都市へと向かう。
次々と現れる強敵を「ただの配送障害」として物理法則の暴力で粉砕。
さらに、道中で出会う訳ありの美女たちが抱える痛みや装備の異常を、凄腕の職人のように冷徹かつ完璧にメンテナンスしていく。
「――足回りの重心調整、完了しました。では」
魔法に頼らない圧倒的な男の強靭さと、自分を『国宝級の美術品』のように丁重に扱う極上の気遣い。
しかし、彼には恋愛感情(下心)というものが完全に欠落していた。
「この人は私に全てを尽くしてくれるのに、私からの愛を受け取る方法を知らない……。私が彼を直してあげなきゃ!」
下心ゼロの【極限奉仕】によって、プライドをへし折られ強烈な庇護欲と独占欲に目覚めた美女たちは、次々とジーンの実家(ギルド)へ押しかけ、血みどろの修羅場を形成していく。
これは、恋愛バグを抱えた最強の裏方が、己の肉体と物理法則だけで無自覚に世界とヒロインを救っていく、最高に不器用な職人ファンタジー。
※本作の略称は『リュクポ』でいこうと思います!
応援よろしくお願いします!