あらすじ
エレベーターの「閉」ボタン。
彼は勘違いしていた。
「俺は必要とされている」
四十七万回押された実績。
輝かしい数字。
圧倒的な人気者。
……ただし、その大半は「早く閉まれ」という人類の焦りだった。
一方、「開」ボタン。
年間三回。
しかも全部、誰かを待つため。
静かに働く者ほど、存在を忘れられる。
これは、承認欲求にまみれた「閉」と、静かすぎる「開」が繰り広げる、エレベーター史上もっともどうでもいい戦いの物語。
やがて事態は全国規模の閉ボタン革命へ。
人類は気づく。
閉じることより、
ほんの数秒、開けて待つことの意味に。
たぶん。
おそらく。
きっと。
……たぶん。