あらすじ
一度命を落とした男が辿り着いたのは、世界で最も昏い場所の底――「地獄」だった。
己の過去もなく、他者の記憶もなく、すべてを失った場所。
ただ痛みと、闘争と、不老不死だけが、彼の永遠の呪いとなった。
岩に砕かれ、水に溺れ、肉体が壊れようとも、死ぬことはできない。
飢えと渇きが意志を苛もうとも、死ぬことはできない。
裏切られ、愛する者を失い、心が傷つこうとも、死ぬことはできない。
不滅の体を引きずりながら、死んだ魂と共に生き続ける。
彼に残された道は、ただ前へ進むことだけ。
旧世界と新世界の真実を、そして己と他者の巡る運命を知るために。
「地獄」と呼ばれる山を、そのすべての階層を越えてゆく。
昏い海から、食人種の村、不毛の砂漠、氷の洞窟、そして数多の階層を。
最頂点に立ち、創造主の視点から、生と死の始まりを見下ろすその日まで。
――だがまずは、ただ生き延びろ。