あらすじ
料理に「効能」を付与する特異体質を持ちながら、見栄えの悪い料理ばかり作るせいで宮廷調理場を追放された青年・アルト。
食い扶持を求めて街の廃屋で気まぐれに店を開いた彼の元に、一人の少女が現れる。それは「あらゆる毒を警戒し、何を口にしても吐き出してしまう」という呪いに近い極度の偏食に苦しむ第一皇女・フィオナだった。
高級料亭の極上料理すら「不味い」「毒の味がする」と切り捨てるフィオナだったが、アルトが適当に作った「薬草と魔獣肉のワイルド炒め」を口にした瞬間、瞳を輝かせる。
「これよ……! 私が求めていたのは、この『毒』なのよ!」
(いや、それただのスパイスと薬効なんだけど……)
アルトの料理しか食べられなくなったフィオナは、彼を専属料理人として強引に宮廷へ引き戻す。
宮廷貴族たちの陰謀、偏食姫の心身の治癒、そして世界を揺るがす毒殺騒動——。
胃袋から世界を服従させる、落ちこぼれ調理師の無双譚が幕を開ける!