あらすじ
あの日、残酷なほど眩しい夏にすべてを奪われてから、どれほどの時間が経っただろう。
一人暮らしの部屋で、相変わらずテレビの音をBGMにビールを飲み、徹夜でゲームをしてやり過ごす退屈な日常。主人公は、失った幼馴染・凪沙の面影を心の奥底に閉じ込めたまま、大人になっていく。
迎えた静かな金曜日の夜。眠れないまま夜明け前の街へと足を踏み出した主人公は、二駅分もの距離を歩きながら、かつて彼女と聴いた曲のフレーズを一人呟く。
過去の鎖に囚われ、そのせいにし続けながらも、決して消えない痛みを抱えて生きる――。
失われた季節の先で、光の無い早朝の街を歩く少年の、静かで切ない後日譚を描いたヒューマンドラマ。