あらすじ
王妃宮――そこは女官見習いや貴族令嬢が集う、華やかな女の園。
そこで密かに流行しているのは、女性にまったく靡かない堅物監察官・ヴァルターを口説き落とす遊び、『ヴァル落としゲーム』。
令嬢たちは今日も色仕掛けや甘い誘いで挑むものの、誰一人として攻略できない。むしろ丁寧に振られて、さらに惚れてしまう始末だった。
そんな騒ぎをいつも眺めている女官見習いのエレナには、誰にも言えない秘密がある。
――あの難攻不落の監察官は、実は私のお父様です。
もちろん血の繋がりはない。
けれど家では、娘が少し咳をすれば大騒ぎ。靴擦れひとつで心配しすぎるほどの、超がつく過保護な養父だった。
宮では他人。家では父娘。
その関係は絶対に秘密。
王妃宮で巻き起こる『ヴァル落としゲーム』の騒動に巻き込まれながら、エレナは父娘の秘密を守るため今日も大奔走。
令嬢たちの暴走に、監察官としての仕事、そして家では娘を甘やかしすぎる父の空回り。
これは、ちょっとしたトラブルを親子で乗り越えていく、笑ってほっこりできる宮廷ホームドラマ。
難攻不落の監察官が、本当に弱い相手は――娘ただ一人だった。