あらすじ
美しい湖と花に囲まれたシルバーレイク村で、エレナは自分だけが美しくないと思って生きてきた。
村で一番美しい娘の輪に入れてもらっても、髪に花を挿されても、胸に残ったのは喜びではなく、惨めさだった。
やがて魔物が村を襲った夜、エレナは女として守られるのではなく、古い剣を渡される。
それから彼女は戦う道具として必要とされ、村を出た後は冒険者として強くなっていく。
剣を持てば、顔を見られなくて済む。
強くあれば、そこにいてもいい。
そう思っていたエレナの前に、王都から来た美しい冒険者アルデンが現れる。
美しさと強さを同じ体に持つ彼の隣で、エレナは初めて、自分が諦めていたものを意識してしまう。
そんなある日、迷宮の奥でエレナは一輪の花を見つける。
黒に近い紫の花弁に、銀色の光を宿した美しい花。
それは毒を持つ花だった。
そして、髪に挿した者へ美しさを与える花でもあった。
これは、毒を喰らってでも美しさを願ってしまった女が、その願いを自分のものとして持ち直すまでの物語。